甘いヒミツは恋の罠

Secret 8 大野の告白

「う～ん……」


　ゆっくり寝ようと思っていた土曜の朝でも、既に習慣づいた起床時刻に目が覚めてしまう。


　紅美は腫れぼったい目をこすりながらむくりと起き上がったが、すっと冬の冷えた外気温にぶるっと身を震わせて、再びベッドの中に潜り込んだ。そしてテレビのリモコンに手を伸ばして適当にチャンネルを回してみる。


「おはようござます！　私は今、本日オープンのアクセサリーストア“キラメキ”に来てまーす！」


　前々からアルチェス本店の近くにアクセサリーの店が新規オープンするという話は聞いていた。


「結構なお客さんが来てます！　すごいですね～店の中に入るのにも順番待ちです」


　元気のいい若いレポーターのバックに映し出された店は、たくさんの人で埋め尽くされていた。


　まだ小さな規模の店舗だったが、アルチェスも大手だからといって油断はできない。