甘いヒミツは恋の罠
「すみません。私も朝比奈さんの言葉に乗せられて浅はかだったと思います」
「おい、乗せられてってなんだよ」
「だ、だって、やっぱり会見を抜け出したらこうなるって――」
「あ~痴話喧嘩は後でやってくれるかな?」
朝比奈社長がパンパンと手を叩くと、ぐっと二人は押し黙る。しばらくすると、クスクスと堪えるような社長の笑い声が聞こえて紅美はハッと顔を上げた。
「けど、本当に二人ともお似合いだね。瑠夏にこんな可愛い彼女ができて、私だってこんな説教なんかしたくないんだけど……二人の関係をマスコミに邪魔されないように慎重になって欲しいんだ。応援してるからこそ言うんだよ?」
「……はい」
神妙な面持ちの紅美とは逆に、朝比奈は面白くなさそうに足を組んで言った。
「ふん、別にこそこそしなくったっていいだろ? 隠そうとするから嗅ぎつけたくなるんだよ」
「お前は紅美さんを世の中に見せびらかしたいだけだろ? そういうところがガキだって言うんだ」
社長に咎められると、朝比奈はツンとした顔でそっぽを向く。
「まぁ、いつまでもこんな話をしててもしょうがない。ほら、二人に私からのささやかなプレゼントだ」
そう言うと、朝比奈社長がテーブルの上に二枚の航空チケットを差し出した。
「おい、乗せられてってなんだよ」
「だ、だって、やっぱり会見を抜け出したらこうなるって――」
「あ~痴話喧嘩は後でやってくれるかな?」
朝比奈社長がパンパンと手を叩くと、ぐっと二人は押し黙る。しばらくすると、クスクスと堪えるような社長の笑い声が聞こえて紅美はハッと顔を上げた。
「けど、本当に二人ともお似合いだね。瑠夏にこんな可愛い彼女ができて、私だってこんな説教なんかしたくないんだけど……二人の関係をマスコミに邪魔されないように慎重になって欲しいんだ。応援してるからこそ言うんだよ?」
「……はい」
神妙な面持ちの紅美とは逆に、朝比奈は面白くなさそうに足を組んで言った。
「ふん、別にこそこそしなくったっていいだろ? 隠そうとするから嗅ぎつけたくなるんだよ」
「お前は紅美さんを世の中に見せびらかしたいだけだろ? そういうところがガキだって言うんだ」
社長に咎められると、朝比奈はツンとした顔でそっぽを向く。
「まぁ、いつまでもこんな話をしててもしょうがない。ほら、二人に私からのささやかなプレゼントだ」
そう言うと、朝比奈社長がテーブルの上に二枚の航空チケットを差し出した。