甘いヒミツは恋の罠
「……これは?」
「イタリア行きのチケットだ」
「ええっ!?」
朝比奈と紅美はそのチケットを手に取りまじまじと見つめる。
「来年、イタリアのミラノにアルチェスの店舗を構えようと計画中なんだ」
「え……? ミラノに? 兄貴それって――」
「まぁ、旅行がてら視察に行ってきて欲しい。人手が足りなくて出張に出せる人材がいないんだ」
呆気にとられている朝比奈と紅美を横目に社長は続けて淡々と語る。
「とにかく出発は明後日だから、そろそろ準備しておいたほうがいい」
(こういう勝手なところ、兄弟そっくりだよね……)
思わず声に出して言ってしまいそうになった内心のつぶやきを胸の奥底にしまうと、紅美は朝比奈とともにアルチェスの本部を後にした――。
「イタリア行きのチケットだ」
「ええっ!?」
朝比奈と紅美はそのチケットを手に取りまじまじと見つめる。
「来年、イタリアのミラノにアルチェスの店舗を構えようと計画中なんだ」
「え……? ミラノに? 兄貴それって――」
「まぁ、旅行がてら視察に行ってきて欲しい。人手が足りなくて出張に出せる人材がいないんだ」
呆気にとられている朝比奈と紅美を横目に社長は続けて淡々と語る。
「とにかく出発は明後日だから、そろそろ準備しておいたほうがいい」
(こういう勝手なところ、兄弟そっくりだよね……)
思わず声に出して言ってしまいそうになった内心のつぶやきを胸の奥底にしまうと、紅美は朝比奈とともにアルチェスの本部を後にした――。