甘いヒミツは恋の罠
昼下がりの大通りは、ちょうどランチタイムが終わって足早に戻っていく会社員たちが行き交っていた。
「なんだか急な話でびっくりしちゃいましたね」
紅美は何か考え事をしているかのような朝比奈を窺うように声をかけた。
「う~ん、ミラノか……悪くないな」
「え……?」
「い、いや……なんでもない」
うっかり独り言を聞かれてしまい、朝比奈は気まずそうに顔をほんのり赤らめて首を振った。
「なんですか? 悪くないって……」
「だから! なんでもないって言ってるだろ」
(うぅ、そんなムキにならなくても……)
しゅんと項垂れる紅美に、朝比奈はバツが悪そうにボソリと呟いた。
「……結婚式のことを考えてたんだよ」
「結婚式? って、誰のですか? 痛っ!」
きょとんとしている紅美の頬を、朝比奈はむくれた顔でぶにっとつまんだ。
「なんだか急な話でびっくりしちゃいましたね」
紅美は何か考え事をしているかのような朝比奈を窺うように声をかけた。
「う~ん、ミラノか……悪くないな」
「え……?」
「い、いや……なんでもない」
うっかり独り言を聞かれてしまい、朝比奈は気まずそうに顔をほんのり赤らめて首を振った。
「なんですか? 悪くないって……」
「だから! なんでもないって言ってるだろ」
(うぅ、そんなムキにならなくても……)
しゅんと項垂れる紅美に、朝比奈はバツが悪そうにボソリと呟いた。
「……結婚式のことを考えてたんだよ」
「結婚式? って、誰のですか? 痛っ!」
きょとんとしている紅美の頬を、朝比奈はむくれた顔でぶにっとつまんだ。