甘いヒミツは恋の罠
「な、何するんですかっ!」
「馬鹿、鈍感、色気なし」
「はぁぁ!?」
往来であることも忘れて紅美が声をあげると、朝比奈が噴き出して笑った。
「ちょ、なに笑ってるんですか!? ひどい! そんなこと言わなくったって――」
「俺とお前の結婚式って言ったらどーする?」
「……へ?」
ぷつんと頭の中で糸が切れたような音がして、紅美は目を点にしたまま立ち止まる。
「ミラノの店舗開店と同時に俺たちの結婚式も考えてるって言ったら?」
思わず立ち止まってしまった紅美に振り向いて朝比奈がにこやかに笑う。
「その指輪の意味、やっとわかったか?」
「朝比奈さん……」
思わず顔を歪めると自然に涙がこぼれ落ちた。信じられない気持ちで胸がいっぱいになると、全身から抑えきれない喜びが溢れ出す。
「朝比奈さん、大好きです」
指輪が奏でる想いを受け止めて、紅美は差し伸べられる朝比奈の手にそっと自らの手を重ねた――。END
「馬鹿、鈍感、色気なし」
「はぁぁ!?」
往来であることも忘れて紅美が声をあげると、朝比奈が噴き出して笑った。
「ちょ、なに笑ってるんですか!? ひどい! そんなこと言わなくったって――」
「俺とお前の結婚式って言ったらどーする?」
「……へ?」
ぷつんと頭の中で糸が切れたような音がして、紅美は目を点にしたまま立ち止まる。
「ミラノの店舗開店と同時に俺たちの結婚式も考えてるって言ったら?」
思わず立ち止まってしまった紅美に振り向いて朝比奈がにこやかに笑う。
「その指輪の意味、やっとわかったか?」
「朝比奈さん……」
思わず顔を歪めると自然に涙がこぼれ落ちた。信じられない気持ちで胸がいっぱいになると、全身から抑えきれない喜びが溢れ出す。
「朝比奈さん、大好きです」
指輪が奏でる想いを受け止めて、紅美は差し伸べられる朝比奈の手にそっと自らの手を重ねた――。END