甘いヒミツは恋の罠
これを期に、朝比奈のことをもっと詳しく聞いてみたいという好奇心と、朝比奈から指摘されたライバル会社の社員とプライベートで懇意にするということの後ろめたさが入り混じって、紅美は返事に戸惑った。
「そ、そう……ですね、でも私――」
「よかった! 実は、すぐ近くにあるマリオンホテルのレストランを予約してあるんです」
「えっ!?」
(家に帰って残りの仕事をするつもりだからって言おうと思ったのに~!)
(しかも、マリオンホテルっていったら五つ星ホテルじゃない……そんなところにこんな普段着でいけないよ……)
黒のニットにプリーツ巻きスカートという出で立ちでは、五つ星ホテルに入るのも気が引ける。
「大丈夫ですよ、ドレスコードは気にしないでください。車、そこに停めてあるんで行きましょうか?」
「うわっ」
ぐいっと大野に腕を引かれて、紅美はなし崩しに流れに呑まれてしまった。
(まだ行くって返事してないのに……)
紅美は、大野の強引さに押し負けるように渋々と車に乗りこんだ――。
「そ、そう……ですね、でも私――」
「よかった! 実は、すぐ近くにあるマリオンホテルのレストランを予約してあるんです」
「えっ!?」
(家に帰って残りの仕事をするつもりだからって言おうと思ったのに~!)
(しかも、マリオンホテルっていったら五つ星ホテルじゃない……そんなところにこんな普段着でいけないよ……)
黒のニットにプリーツ巻きスカートという出で立ちでは、五つ星ホテルに入るのも気が引ける。
「大丈夫ですよ、ドレスコードは気にしないでください。車、そこに停めてあるんで行きましょうか?」
「うわっ」
ぐいっと大野に腕を引かれて、紅美はなし崩しに流れに呑まれてしまった。
(まだ行くって返事してないのに……)
紅美は、大野の強引さに押し負けるように渋々と車に乗りこんだ――。