甘いヒミツは恋の罠
初めて会った時も思ったが、大野は朝比奈のことを瑠夏と呼ぶ。
きっと名前で呼べるような親しい間柄なのだろう。けれど、朝比奈と大野の間には、何か冷たい空気が流れているような気がしてならなかった。
「この間、ライバル会社の人間と懇意にするなって言われてしまって……」
「え? そんなこと言ってきたの? 相変わらず心が狭いな」
「うちの会社と木田宝飾さんは確かにライバルなのかもしれませんけど、仕事以外でならそんなしがらみも関係ないって思うんです」
――お前にはプライドがないのか?
先日、朝比奈に言われた言葉が未だに紅美の胸に突き刺さっていた。けれど、大野に理解してもらうことでその刺も消えてなくなると、そんなふうに思っていた。
きっと名前で呼べるような親しい間柄なのだろう。けれど、朝比奈と大野の間には、何か冷たい空気が流れているような気がしてならなかった。
「この間、ライバル会社の人間と懇意にするなって言われてしまって……」
「え? そんなこと言ってきたの? 相変わらず心が狭いな」
「うちの会社と木田宝飾さんは確かにライバルなのかもしれませんけど、仕事以外でならそんなしがらみも関係ないって思うんです」
――お前にはプライドがないのか?
先日、朝比奈に言われた言葉が未だに紅美の胸に突き刺さっていた。けれど、大野に理解してもらうことでその刺も消えてなくなると、そんなふうに思っていた。