Flicken Geist
医務室を出たガイストは、その先に続く地下通路を走っていた。

相手は傷を負っている。

まともに銃も撃てない状態だ。

ならば、無駄に戦う必要はない。

放っておいても体力を消耗して自滅する。

彼はフェミニストだが、別にそれが理由で見逃そうという訳ではない。

弾薬、体力、それらの温存。

このアジトに潜入した目的は、コートニーではない。

極論すれば、誰一人殺さなくとも、ゴーストだけを暗殺できればいいのだ。

このアジトを守る兵士の殺害は、潜入手段であって目的ではない。

殺さずに任務を達成できるのならば、余計な危険は冒す必要がない。

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