Flicken Geist
膝がガクリと折れ、その場に倒れ込むコートニー。

肩から滴る血が、ポタポタとコンクリートの床に落ちた。

その血のそばに、汗も滴る。

呼吸は荒いまま。

もう追跡しての狙撃は不可能だろう。

「…死ぬ事はない」

離れた位置に立ち止まって、ガイストが言った。

「任務なんてのは、上の連中が決めた勝手な都合だ。俺達兵士は、それに嫌々付き合わされてるに過ぎない。任務に意義を見出してるなんてのは、気のせいだ。任務に意義なんてない。俺達は、只の使い捨ての駒だ。命をかけてまで果たす任務なんてない」

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