Flicken Geist
「意義はあるの…」

ガクガクと、出血と疲労に体を震わせながら、それでもコートニーは顔を上げる。

「義父(ちち)を助けるの…義父の力になる為に、私は狙撃技術を磨いてきたの…本当なら私は、グロズヌイで死んでいた筈の身…その命を、ゴーストに拾われたの…私の命は、ゴーストの為に使うの…」

「恩義って奴か」

軽く首を横に振るガイスト。

「折角拾った命なら、自分の為に使え。いつだって命は自分の為にある。他人の為に存在する命なんてない」

「それは私が決める事なの…」

立ち上がろうとするも、再び膝が折れて大きく前のめりに倒れるコートニー。

「付き合い切れん」

ガイストは無防備な背中をコートニーに向ける。

「自分の命を蔑ろにする奴は、兵士失格だ。そんな奴は、結局誰の命も守れやしない」

< 117 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop