Flicken Geist
激しい技の応酬となってきた。

両者ともに呼吸は荒くなり、顔面は血塗れだ。

それでも足は止めない。

互いの強さをリスペクトすらする精神状態にあった。

向かい合ったゴーストとガイスト。

無言のまま、コツンと拳同士をぶつけ合う。

ゴーストが、フットワークからジャブを放つ。

牽制の意味合いだ。

ゴーストのパンチを、しっかりと見切るガイスト。

ダメージは既に相当なものだろうが、まだ意識は死んでいない。

瞬時に間合いに入り、右ストレートを放つガイスト。

しかしゴーストは体を浮かせるようにして避ける。

立て続けに右フック、右のボディブローは、左の肘を下げて受け止める。

ゴーストはここで一旦間合いを外した。

互いに円を描くように移動しつつ、間合いをはかる。

ゴーストが再び出た。

ジャブ、左フック、右フック。

辛抱強く耐えて隙を待つガイスト。

ゴーストのパンチを受け止め続ける腕のガードは痣だらけだ。

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