Flicken Geist
柔軟な膝の動きで、ゴーストの隙から左アッパーを顎に叩き込むガイスト!

何とか耐えるゴーストだったが、首の筋肉が鍛えられていなければ一撃で意識を絶たれていただろう。

体力も限界に近い。

両者のパンチは大振りになってきた。

軍隊において格闘というのは相手を殺傷する為の手段の一つであり、相手を必ず格闘で殺す必要はない。

ノックアウトに必要な10秒ではなく、射殺に必要な1秒があれば十分なのだ。

故に本来は威力があっても大振りで隙のあるフック系のパンチは、軍隊格闘では好まれない。

それを敢えて繰り出すという事は、ゴーストもガイストも、切羽詰まっているのだろう。

ボディも織り交ぜつつ、ガイストを攻め立てるゴースト。

しかしガイストは耐え続ける。

耐え続け、慎重に『その時』を待ち、ゴーストが決めにかかろうと一度下がり、パンチが最も大振りになって隙が出来た刹那!

「あぐっ!」

顎に右のカウンター!

自身のパンチの勢いまで利用され、ゴーストは一気に脳震盪で意識を失った。

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