Flicken Geist
「……」

交信の途切れた無線を投げ捨て、ガイストは溜息をつく。

所長室の外から、足音が聞こえてきた。

兵士達の軍靴の音。

ゴーストの居室に侵入者がいるのだ。

このアジトにいる兵士を総動員するだろう。

重武装の兵士達。

それを丸腰で、疲労困憊のガイストがたった一人で迎え撃つ。

誰がどう考えても不利。

このまま彼は、ゴーストの私兵部隊に射殺され、全ての真相は闇の中。

それが依頼主のシナリオ。

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