Flicken Geist
溶鉱炉を抜けると、大きな鉄扉が存在した。

地下搬出路から侵入以来、ずっと建物の中を移動し続けた訳だが、この先は外界に通じている。

扉を開けると、一気に凍てつく寒さがガイストに降りかかってきた。

見渡す限りの銀世界。

雪原。

核廃棄施設の敷地内にある、木々に囲まれた土地だった。

薄暗さと鉄骨の灰色一色だったこれまでの世界から打って変わって、美しささえ感じさせるような光景。

しかし長居すれば、凍傷や低体温症さえ起こしかねない、そんな危険な銀世界だった。

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