Flicken Geist
「……」

テレスコピックサイトから覗いていたコートニーは、侵入者が木陰から引き返していく姿を目撃する。

ここから先に進む事を諦めた?

別のルートを探すつもりか。

しかし生憎と、先の建屋に向かうにはこの雪原を通過する他にルートはない。

そしてコートニーは、この雪原でいつまでもアンブッシュ(待ち伏せ)する。

例え足が凍傷にかかろうと、トリガーを引く指一本無事ならばそれでいい。

狙いを定める瞳と、指一本が機能すれば任務は果たせる。

狙撃手の覚悟とはそういうものだった。

どんなに策を弄しようと、コートニーはここから侵入者を狙い続ける。

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