Flicken Geist
静寂の通信棟内を、ガイストの足音だけが響く。

15階を過ぎた辺りで、流石のガイストも息が上がってきた。

途中足を止め、壁に手をついて呼吸を整える。

傷の方は、幸い出血がおさまってきたようだ。

このスニーキングスーツの締め付けによる止血効果もあるらしい。

孤立無援、助けを呼べない状況の中、有り難いと言えた。

多少体力が回復した所で、再び足を進めるガイスト。

あと半分だ。

自分を叱咤し、階段をのぼっていく。

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