Flicken Geist
ようやく最上階に到達し、鉄扉を開ける。

途端に吹き込んできたのは、地上よりも冷たく感じられる極寒の風。

地上30階だ。

気温が更に低いのは当然の事だった。

M4カービンを構え、まずは周囲の状況を確認する。

通信棟内では、見張りの兵士が一人もいなかった。

ガイストをここまで誘い込む罠とも考えられる。

入念にクリアリング。

…この屋上にも敵はいない。

その事を不審に思いつつ、一歩踏み出す。

強い風の音と、足音。

それ以外は何も聞こえない。

いや…。

ガイストは顔を上げた。

ヘリのローター音が聞こえる…。

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