短編集
翌日は晴れていい天気。
早く帰りたかったのに、先生に用事を頼まれてしまった。
用事を終えて学校を出たのは、17時。
空は夕焼け。
茜色に染まった雲が綺麗だった。
3つ目の駅で電車を下りて、団地に急いだ。
浮き立つ心は、2号棟のいつもの外玄関が見えた途端に、驚きに変わった。
外玄関のドアが、ベニヤ板で覆われていた。
釘が打ち付けられ、立入禁止の紙が貼られている。
周りを見ると、他の外玄関も同じになっていた。
取り壊しの準備に入ったということかも知れない。
住み慣れた団地が、本当に消えてしまう……
それもショックだったけど、それよりも今は、
彼とのメッセージ交換ができなくなった事実に、泣きそうになっていた。