短編集
彼女に ナリタイ(ホラー)
◇◇◇
私には憧れている人がいる。
男じゃなく女の子。
同じ大学、同じ学部の同期生。
彼女の名前は、アカリ。
透き通る白い肌はスベスベで、
ファンデーションを塗るのが勿体ないと思うくらい。
目はぱっちり二重で黒目が大きく、長い睫毛がお人形さんみたい。
唇はぷっくりセクシーで、笑った時にチラリ見える八重歯が可愛い。
アカリの周りはいつも賑やかだ。
明るく可愛い彼女に惹かれ、男も女も集まってくる。
友達がたくさん。
イケメン好青年の彼氏までいて、
彼女は周囲まで完璧だった。
広い講義室で、新米講師が面白くない話をしていた。
講義内容は、ちっとも耳に入らない。
アカリの3列後ろの席で、その後ろ姿にうっとり見惚れていた。
薄ピンクのパステルカラーのブラウスが、良く似合っている。
女子大生に人気のブランド服を、嫌みなく着こなすアカリ。
ファッションセンスも抜群だ。
ミルクティ色のゆるふわパーマの髪をヘアクリップで留め、白いうなじが見えている。
少女のようなあどけなさもあり、大人のセクシーさも感じる。
何て完璧なうなじなのだろう……