短編集
中学生になると、挨拶程度の会話しかしなくなった。
男らしく成長していく彼と話すのが、何だかとても恥ずかしくて……
気づかない振りして、横を通り過ぎたこともあった。
まともに話すことが出来なくなっても、好きだった。
一緒に遊んでいた時より、不思議と好きの気持ちが大きくなっていた。
団地の閉鎖を聞いた時の、ショックは大きい。
ショックと同時に、強い焦りも感じた。
見ているだけでいいと、今まで何も行動しなかったけど、
それではいけないのだとやっと気付いた。
離れたくないなら、思い切って告白を……
それに気付いても、勇気がなくて、好きだと言えずに終わってしまった。
後悔と共に、大きな溜息を吐き出した。
公園を見るのをやめて、階段をゆっくり下までおりた。