青い記憶


裏庭の

小さな木の下の
小さい頃作った
小さなトンネルを
くぐると

小さい頃から
いつも一緒の

アイツがいる。


「あーゆーむー!」

言い慣れた名前を叫ぶ。

見上げていた二階の窓が勢い良くあき
見慣れた顔が飛び出す。

「今行くー!」


「急がないと遅刻だよー!?
初日から遅刻はまずいって!!」


私、上田愛梨(ウエダ アイリ)と


「わかってるって!」


この幼なじみ

大内歩(オオウチ アユム)は

今日から高校生です。


歩がドタドタ階段をかけ下りる音が
外まで聞こえてきて

相変わらずだなと苦笑する。

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