カタコイモノガタリ。
第一話
高校生活最後の春、三年目に突入した片想い

私は小山美夜、美しい夜と書いて【きょうや】と読む。
身長は157cm 密かに漫画家志望のごく普通の平凡な女子高校生だと思う。
目立たないタイプだし、自分の名前ってあまり好きじゃない。
友達は高校でできた1人だけ。私となにもかも正反対の

「きょーやー!!」

「みどり?」

今年は隣のクラスになってしまった、親友のみどり。
ふわふわした雰囲気と、如何にも女の子といった容姿。ぽやっとしているようで、実は生徒会長なんかしちゃってるしっかり者。ましゅまろみたいにふんわりした髪の毛は、ゆるくまいてある

「もぉ〜美夜、今日お昼一緒って言ったじゃない、早く外行こうよ〜」

ぶーぶ文句を言いながら私の腕を引っ張るみどり。ましゅまろのような髪の毛が、私を揺する度にふわっとゆれる。
クラスの男子がみどりに注目するが、残念な事に。

「あんたら、みどりには彼氏いるんだから、叶わない事夢みちゃ青春無駄にするわよ」

そう。みどりにはちゃんと彼氏がいる。確かもう半年だったっけ?

「もっ、もー!美夜ぁ。恥ずかしいからやめてよー」

頬を赤らめるみどりが可愛くて、ついいじってしまう。本当に女の子だなぁ。

「そんなの知ってるってのー目の保養だほ!よ!うー!小山も彼氏くらいつくれよー」

「私はみどりがいるからいいのっ」

冷やかしてくる男子の頭を本の角で叩く。これ意外と痛いわよね。

「そーだもーん!美夜はあたしのなんだもーん」

クスクスと2人で笑いあいながら、中庭へ足を運んだ。
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