冷たい上司の温め方
熱といえばプリンでしょ
そうやって毎日が過ぎて行った。
楠さんと笹川さんが、なにやらヒソヒソ話をしていることもあったけど、「シモベは他にやることがある」と冷たい一言で、私は入れてはもらえなかった。
そして、入社式を迎えた。
中途採用扱いらしい私は、自分の入社式の準備まで手伝わされた。
まったく納得がいかなかったけど、楠さんになにを言っても勝てそうにない。
「はぁ、疲れた」
シモベとして椅子を並べ終えた私がそう漏らすと、丁度やって来た楠さんがイジワルそうに笑う。
「入る前からボロボだな。初々しさの欠片もない」
それは誰のせいよ!
ムスッとした顔で楠さんをにらんだけど、全く動じる様子はない。
そうだよね。
普段、全社員から嫌われてるんだもんね。
このくらいなんてことないよね。