冷たい上司の温め方

冷たいの?優しいの?


月曜。少し早めに出社すると、もう楠さんが仕事を始めていた。


「おはようございます。大丈夫ですか?」

「あぁ。もうすっかり良くなった。久しぶりにあんなに寝たしな」


顔色もいい。
風邪をひく前より、健康そうに見える。


「よかったー」

「悪かったな」

「いえいえ」


クールな彼の精いっぱいの感謝の言葉を受け取ると、デスクについた。


「今日からの仕事だ」


すぐに楠さんから手渡された資料には、営業部長についての書類だ。


「これ……」


首切り?
しかもかなりの役職の人だ。


「仕事をバリバリやってくれるそうだし」

「そ、そうです。がんばります」

「今日、就業後に面接をする。
麻田は初めてだから、見ているだけでいい。
とりあえず、資料の内容を頭に入れておけ」

< 151 / 457 >

この作品をシェア

pagetop