冷たい上司の温め方
首切りはポリシーを持って
「おはようございます!」
次の日も張り切って出社した。
あんな嫌な面接の後だけど、私も楠さんと話せて、気持ちを一新できたようだ。
「おはよ」
楠さんは相変わらずメガネの下の目を鋭く光らせていて、冷たい雰囲気を漂わせてはいるけれど、それだけじゃないって、知ってるし。
シモベの仕事は朝の掃除からだ。
誰に言われたわけじゃないけど、きれいなデスクの方が気持ちがシャキッとする。
「はい。書類どかしてくださいよ」
大阪に出張中でいない笹川さんのデスクも片付け、もともときれいに整っている楠さんのデスクも拭くと、二課のデスクもついでに拭き始めた。
二課の掃除が終わりかけたころ、山際さんが出社してきて、「私がやります」とフキンを奪っていく。