冷たい上司の温め方
二課の新人って、山際さんだ。
最初に私が注意したことを、根に持っているのかもしれない。
女の井戸端会議が、必ずしも本当のことを語られてはいないことを、今までの経験上知っている。
学生のころだってあった。
だから私はそういうことにはあまり首を突っ込まないようにしてきたけど、こうして自分の悪口を耳にしてしまうのは結構辛い。
その後もクスクス笑いながら、どんどん話を大きくされるのを聞いて、大好きなコロッケを一口も食べられなかった。
どうしてそんな適当なこと、言うの?
楠さんだって笹川さんだって、できるだけ解雇という事態にならないように日々動いているのに。
立ち上がって他の席に移ればよかったのかもしれない。
だけど、それもできないほど、動揺していた。