冷たい上司の温め方
たまにはデートでもしませんか?
週末、枕元に置いておいたスマホが震えて飛び起きた。
疲れていたせいか、ぐっすり眠っていたようだ。
「わっ、寝すぎた」
遅刻だ!と焦ったものの、今日は休みだ。
目覚ましにしているアラームが鳴ったとばかり思ったら、電話だった。
「もしもし」
『遅い』
「は?」
寝起き早々叱られて、気分がよくない。
電話の相手は楠さんだった。
『まさか、寝てたんじゃないだろうな』
「寝てましたけど……」
『まったく。三十分やるから、それまでに用意しろ。迎えに行く』
「は……」
そこで一方的に電話は切れた。
用意って……仕事だったっけ?
「あっ!」
『遊ぶ相手いないんだったら、遊んでやる』と言ってたけど、あれって、本気だったの?