冷たい上司の温め方

「次、どこ行きますか?」

「もう十分だ。帰るぞ」

「ダーメ。まだ足りません」


もっともっと笑わせたい。
私が相手じゃ不満かもしれないけど、今日一日が楽しかったと言わせたい。

と言ったところで、どこに行けばさっぱりわからない私は、「公園に行きましょう」なんて行き当たりばったりな提案をしてしまった。


楠さんの言う通り、まるで子供だと後悔したものの、太陽の似合わない楠さんの公園姿というものを見てみたい気もする。


「公園でなにするんだ」


公園の駐車場に車を停めた楠さんは、眉間にシワを寄せている。


「えーっと……楠さん、白すぎるから焼くとか?」

「お前、バカにしてるのか」


こわっ。
冗談でしょ、冗談。


「い、いいから、行きますよ」
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