冷たい上司の温め方
シモベ、不合格?
「ちょっと、なによ、それ」
私の内定を聞いた久美と聡子は、驚きの声を上げる。
そりゃあ、驚くのも無理はない。
こんな形で就職をゲットできる人なんて、他にはいないだろう。
しかも大きな会社だ。
「そんなおいしい話、聞いたことないよ。
で、その男、課長って……おじさん?」
「ううん。それが、結構若い感じ。
三十くらいに見えたけど……」
本当はいくつなんだろう。
もしかして、本当はおじさんで、若作りしてるとか?
実は頭がつんつるてん?
全身整形美人――いや、美男、とか?
なんて考えては笑ってしまう。
「美帆乃、ニタニタしてキモイ」
「えっ? ごめん」
「その顔じゃ、いい男だったみたいね」
うん。容姿はね。
でもなんだか冷たい男だった……。