冷たい上司の温め方
「ちょっと美帆乃。鼻息荒いって」
「あ、ごめん」
それからの私はダラダラの生活を改め、規則正しい生活をして、勉強にも励んだ。
田舎の両親には電話で連絡をした。
「戻ってくると思ってたのに」と落胆した声を上げた母も、ダイオー電機の名をあげると一転、喜びの声に変わった。
「本当に? あの、CMやってるとこでしょ?」
「うん。まぁ」
「どうしてあんたが? そんな一流企業に?」
「変な男に拾われたのよ」なんてとても言えなくて、「まぁね」とごまかす。
とにかく、このまま東京に残れることが決定した。