冷たい上司の温め方
「美帆乃、バイト決まった?」
「うーん、それがさ」
たまたま学食で聡子と一緒になった時、痛いところを突っ込まれて言葉がつまる。
だって、バイトの面接も、もう三つ落ちていたから。
バイトは正社員とは違うから、人格がどうとかいう前に、働ける時間に左右されているのはわかっているけど、これだけ落ち続けるとバイトといえども後味が悪い。
「一流企業に決まったくせしてねー」
「あはは」と笑い飛ばす聡子は、私のスパゲティのソーセージを勝手に食べる。
「ちょっと!」
「いいじゃん、これくらい。私さぁ、やっぱりダメだわ」
「なにが?」
「なんか、もう疲れちゃった」
珍しく沈んだ聡子に驚いて彼女の顔をじっと見つめると、「聞いちゃう?」とつぶやく。