冷たい上司の温め方
タマゴサンドのお味は?
次の日からも、私はいたって普通に働いた。
笹川さんと楠さんはまったく口を利かない。
朝日さんの言っていた通り、雰囲気は最悪だった。
「笹川さん、大阪からお電話です」
「サンキュ」
この間のリストラの件だろうか。
笹川さんは話を聞かれたくないのか、コードレスになっている電話を持って、フロアを出た。
たった三人の三課。
でこぼこな課員ではあるけれど、団結していると思っていた。
だけど、林常務の件があってから、バラバラになってしまった気がして残念だ。
「楠さん。製造技術部の派遣社員の件ですが……」
とにかく今は、また元の三課に戻れることを信じて、自分にできることをやるしかない。
その週、楠さんと笹川さんは仕事で必要なこと以外は一言たりとも話さなかった。