冷たい上司の温め方
オトコの友情?
ひと騒動終わったころには、もう就業時間が過ぎていた。
山際さんが、こわばった顔のまま帰って行く。
おそらく三課じゃなくてよかったと思っているだろう。
だけど私は三課でよかったと思う。
楠さんは自分のデスクに一旦戻ると、「先に帰れ」とフロアを出ていく。
きっと遠藤さんのところに行くのだろう。
「待ってください。私も行きます!」
慌てて楠さんを追いかけて声をかけると、「どこに行くのかわかってるのか?」とつぶやく。
「地下、ですよね」
私の問いかけに返事をしなかったということは、やっぱり正解なのだろう。
だけど「来るな」とも言われなかった私は、そのまま彼についていった。