冷たい上司の温め方
それなりに努力もして、パソコンだって一通り扱えるけれど、そんな人ゴロゴロしている。
だけどなぁ……。
なんとしても社会人として一人前になりたい。
なにより、就活に失敗して田舎生活に戻りたくはない。
就職セミナーで見つけて、やっと面接までこぎ着けた会社に向かう。
ここまで来るのは結構大変だ。
適正検査という名のふるい落としになんとか残らなければ、面接すらしてもらえない。
そのテストの為に、問題集をすでに三冊こなしていた。
もうこの後の面接の予定は空欄だ。
ここまで来るのに、十八社ほど落ちている私は、必死だ。
念入りに会社情報をチェックする。
資本金、社長の名前、取引先……。
意地悪な面接官は、時々そういうところをついてくる。
そんなの、社員だって知らないでしょーってところまで。