冷たい上司の温め方

そう強がってみたものの、私も彼が欲しくてたまらない。


「楠さん……」


はっきり返事をする代わりに彼に抱きつく。
すると彼はフッと笑って、優しい口づけをくれる。

やがて激しくなるキスに夢中になっていると、彼は私のブラウスのボタンに手をかけた。


「待って、ここじゃ……」


それに、電気がついたままでは恥ずかしくてたまらない。


「焦らすな」


彼はそう言ったけれど、私を軽々と抱き上げて寝室に向かう。
私はといえば、大好きな彼にしがみつくのが精一杯で、頭が真っ白になってしまった。


私をゆっくりベッドに下ろした楠さんは、すぐに首筋に舌を這わせ始める。

どうしよう。胸の高鳴りが彼にばれてしまう……。
だけどすぐにそんなことを気にしていられなくなった。
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