冷たい上司の温め方
焦るように私のブラウスのボタンを外した彼は、唇をつないだまま自分もシャツを脱ぎ捨てる。
暗闇に慣れてきた目が、意外なほどに鍛えられた彼の体を捉える。
すぐにブラの肩紐が払われ……彼の大きな手が私の胸に触れた。
「あっ……」
まさか、あの時私を拾ってくれた彼と、こんな関係になるなんて考えてもみなかった。
彼の長い指が、私の体を隅々まで堪能する。
「んっ、アァ……ン……」
私の手をシーツに縫いとめ、容赦なく愛撫を繰り返す彼は、たまらず悶える私を楽しんでいるかのようだ。
もう、声にならない甘い溜息がどうしても我慢できない。
「美帆乃」
そして、時折私の名を口にする彼を見て、胸がいっぱいになる。
この人をどうしたら笑顔にできるかと、ずっと考えてきた。
だけど、もう大丈夫だ。
彼は過去を乗り越えた。
そして、これからはずっと私も隣で笑っているから。