冷たい上司の温め方
そして、“一途な愛”も知った。
もちろん、私が教えてあげたんだよ?
「私がずっとあなたを温めてあげる」
「そうか。それは楽しみだ」
クスクス笑った彼は、メガネを外す。
「アイツ、一回は目をつぶるってさ」
「えっ?」
それからすぐに重なった唇は、とろけるように甘かった。
こうして冷たいだけの私の上司は、温もりを取り戻した。
彼はもう大丈夫だ。
銀縁メガネの下の目は、生きる力を取り戻した。
もしも再び凍りそうなときは、私が温めてあげる。
だって、これからずっと一緒に歩いていくのだから。
【END】