冷たい上司の温め方

それでも、「楠さんの弱み、初めていただきました」とおどけていた笹川は、美帆乃のことは吹っ切れたようだ。
最近は、ここに来る前に所属していた営業部の女子社員に、どう告白しようかと、相談してくる。

だけど、笹川もいい加減な気持ちではなさそうだ。
美帆乃を失ったから……というわけではなく、その子の魅力に改めて気が付き、真剣に将来を考えている。


その営業部に美帆乃を行かせた。

入社二年目の社員の欠勤が最近増えていて、気になったからだ。
病欠、にはなっていたけれど。


「笹川さん、有希さんいらっしゃいましたよ。今日もすごくきれいでした」

「だろー」


笹川の好きな女のことで盛り上がるな!
報告が先だ。
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