冷たい上司の温め方
「お見舞い、行くんだな」
「えっ?」
とうとう言ってしまった。
これが俺だ。
嫉妬に狂う、ただのつまらないオトコ。
「まさか、楠さん……あっ、大和……」
「また間違えた。そんなに抱いてほしいなら、そう言え」
「違っ……」
合っていようが違っていようが、抱くけどな。
再び唇を塞ぐと、彼女はここなしか潤んだ瞳を閉じ、俺にしがみついてきた。
美帆乃は……唇を重ねると、途端に女の顔になる。
その豹変ぶりに最初は驚いたけれど、俺だけしか知らない秘密だ。
「ん……」
流れるシャワーの下で首筋に舌を這わせると、彼女は苦しげな顔をして溜息を漏らす。
しかし、この姿、たまらない。
髪の先からポタポタと滴る水滴が、露わになった彼女の白い肌を伝って下りていく。