冷たい上司の温め方
「あっ……」
鎖骨辺りを強めに吸い上げる。
こんなことをするのは生まれて初めてだ。
だけど、俺のものだという証をつけておきたいという強い衝動には、逆らえなかった。
「美帆乃……」
彼女を壁に押し付け、顎を持ち上げると、完全に女の顔をした美帆乃の「大和さん」という、色気たっぷりの声。
メチャクチャにしたい……。
そんな強い欲求が、俺を支配しようとしたとき……。
「大和さんがイヤなら行きません。
安易に約束してごめんなさい。
でも、私が好きなのは……」
わかってるんだ。
おそらく彼女は、「お見舞いに来てくださいね」と軽い気持ちで言われたのを、断れなかっただけだ。
彼女は、それきり口をつぐみ、彼の肩に顔をうずめた。
だけど、どうしてもその先を言わせたい。