冷たい上司の温め方
まだ一糸まとわぬ彼女を半ば無理やり抱き寄せ、ベッドにもぐりこむ。
「パジャマ、着なくちゃ」
「お前はそのままでいい」
自分は下だけジャージを履いたけれど、本当は素肌と素肌が触れ合うのがたまらない。
「でも、恥ずかしい……」という美帆乃の言葉は聞こえなかったことにして、彼女の肩を抱いて目を閉じた。
「お見舞い、来てくれって言われたんだろ?」
目を閉じたものの、すっきりしない。
「はい。でも……」
彼女は他人に感情移入しすぎることがある。
今回も、手術と聞いて、心を痛めたのだろう。
「俺も行くから」
とにかく、ひとりでは行かせない。
美帆乃にその気がなくても、あっちはどうだかわからない。
「ありがとう。大和さん」