冷たい上司の温め方

それでも、就職したければ覚えるしかない。
ふるい落とされたら終わりなのだ。

自分で起業できるほどの能力を持ち合わせていない私達は、どこかの会社にもらってもらわなければならない。


今日の会社が落ちると、いよいよ就職自体が怪しくなってくる。

そもそも、田舎に帰ってきてほしい両親が、手ぐすね引いて待っているはずだ。


「よし!」


折れそうになる自分に喝を入れ、心の中で「私は受かる!」と念じてみる。

そんなことをしたところでなんの役にも立たないことは痛いほどわかっているけど、そうでもしなけりゃ、緊張の面接会場に突っ込む気力すらない。


面接の時間より、少し早目に最寄りの駅に着いた。
ギリギリでは気持ちが焦って上手くいかないからだ。

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