冷たい上司の温め方

「あぁ、あの人」

「えっ?」


遠藤さんはちょっと呆れたような顔。


「あの人、海外営業部の久田さん。
かっこいいでしょ。完全なバイリンガル。
なんでもどこかでアメリカ人の血が入っているらしくて、日本人離れした足の長さだよね」


うんうん。と大きく頷く。
遠藤さんなかなか見る目がある。


「顔もなかなかだし、すごい人気みたい」


あぁ、やっぱり。
いい男の競争率が高いのは仕方がないことなのかもしれない。


「でも、やめときなさい。あの人、相当女癖悪いから」

「は?」

「手当たり次第。来る者拒まず。
よくトラブってるわ。
あんな男に限って、セックスが下手だったりするのよ、きっと」


え……。
今、なんて言いました?

遠藤さんの口から突拍子もない言葉が飛び出した気がするけど……。

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