冷たい上司の温め方
「あら、ごめん。麻田さん、下ネタダメな口ね」
「いえっ。ぜんっぜん大丈夫です」
「興味あります」とも言えず思いっきり首を横に振ると、笑われる。
「あの人下げチンだから。
あの人がらみで何人か辞めてるの」
それは、社内にいっぱい女がいたっていうこと?
「あなたもあんなのに引っかからないようにね。
一晩だけのお付き合いならいいけどね。
私も若いころはね、結構遊んだもんよ」
遠藤さんは「あはは」と豪快に笑う。
遠藤さんなかなかいけてる。
なんだか楽しくなってきた。
遠藤さんが自分で言っていた通り、かなり情報通のようだ。
上のフロアにつくと、まずは廊下を掃除することになった。
遠藤さんの担当は上層階で、社長室等のあるフロアも含まれる。