冷たい上司の温め方
入ったばかりの私が、リストラに係わるの?
しかも、リストラ専門って……嫌われるのが目に見えている。
「そう。だけど、どの会社にも必要な仕事ね」
必要、かもしれない。
だけど、入社していきなりリストラに携わるなんて、聞いてない。
「遠藤さん、私……そんな仕事できるでしょうか」
「できるわ。楠君が選んだんでしょ?
三課に笹川(ささがわ)君しかいないのは、他にこの人って思う人がいないからだと思うの」
もうひとりは、笹川さんって言うんだ。
「時にはその人の人生を左右するような仕事だから、強靭な精神力も必要でしょう?
それをわかっている楠君があなたを選んだのだから、きっと大丈夫よ」
そんなこと言ったって、楠さんには派手に転んだところを見られただけだ。