他人と身内と
辛い現状
真夜中にあんなハードな戦争をしたら、学校では眠くて当然。
ほとんどの授業を睡眠に費やしている。
起きているのは昼休みぐらい。
「おはよー、喜々~。眠そうだねぇ~。」
学校でクラスも一緒の杏は普段の生活でも仲が良い。
肉親を殺された同士、真剣な相談もたくさん話す。
しかし、杏は真夜中にあんなに動いたにも関わらず、授業も寝ずに普通に学校を過ごしている。
「杏はよく寝ないで授業受けられるよねぇ.....どんな睡眠量してんだか...」
大きな欠伸を一つして眠りに入ろうとする。
その時、いつも同じタイミングで頭にチョップが入る。
が。
SK一番の戦力の私に、いくら睡眠中だからと言って常に気を張っているから効かない。
チョップを軽く避け、後ろを振り返る。
「護~。毎日毎日しつこいよぉ?私の大事な睡眠時間を邪魔するなぁ!」
神崎護。クラスメイトで男友達の中で最も仲のいい奴だ。
昔から一緒で幼馴染みの一人だ。
いつも一緒だったし、お互いのことをよく理解している。
でも、踏み込んじゃいけない境界がある。
護にはSKのことは言っていない。
言っちゃいけない。
護は大事な人だけど、踏み込んじゃいけない境界が一本二本あったって違和感はない。
「ちぇ。お前、ちょっとは俺のチョップを食らいやがれ!」
護は手をさすりながら、涙目で言う。
「誰があんたのへなちょこチョップ食らうもんですか。」
「あっかんべぇー」と小馬鹿にして、再び眠りに入ろうと試みる。
すると、今度はクラスの会話が耳に入って寝つけない。
「また、SKがSK対処部隊を何人も殺したんだって~!怖いよねぇ~...」
「SKがSK対処部隊の本部も何人か殺ったらしいよ!それって、それだけSKが強いってことだよね!?やっぱ、SKって怖い...」
「ねぇねぇ、知ってた?SKってうちらと同い年って噂だよ!嫌だぁ~!案外、近い存在かもよぉ~」
SKを悪者にしやがって....。
世間はSK対処部隊様の味方ですか。
へぇへぇ、いいですよ、別に。
世間がどう思おうが私たちのしていることは決して間違えてなんかない。
怒りが込み上げる中、こういう時は杏を見てあげないといけない。
杏はこういうのが本当に嫌いで泣いてしまう時がある。
杏を見ると、握りこぶしをぎゅっと握って少し怒りが入り交じった悲しい表情を浮かべていた。
「SKってなんで襲うんだろうな。」
そんな時、急に護が呟いた。
答える必要はないと思った。
だから、無視した。
「なぁ、なんでだと思う?」
しかし、護は私に尋ねてくる。
仕方ないから適当に答えてあげた。
「......そんなの知ってるわけないでしょ。」
護は「そうだな」と頷いて、また静かに呟いた。
「SKが死んでくれたら世界は平和になるのに。」
例え、護だからといって言って良いことと悪いことがある。
それは私たちに言ってはいけないことだ。
激しい怒りと悲しみが込み上げてきた。
しかし、ここで怒鳴ったら、SKと疑われSK対処部隊も本部の野郎に目をつけられるかもしれない。
ここは堪えるんだ....。
「......今日、学校休むわ。」
激しい怒りをぐっと堪えて、荷物をまとめた。
「どうしたんだぁ?具合でも悪いのか?」
護はじっと私の顔を見て、心配そうな表情を浮かべた。
本当に良い奴なんだけどなぁ、護。
「んー、うん。風邪引いてるの。帰る。............杏も帰った方がいいんじゃない?顔、真っ青だよ。」
杏は我に帰ったような顔をし、「うん」と頷いて一緒に教室を出た。
ほとんどの授業を睡眠に費やしている。
起きているのは昼休みぐらい。
「おはよー、喜々~。眠そうだねぇ~。」
学校でクラスも一緒の杏は普段の生活でも仲が良い。
肉親を殺された同士、真剣な相談もたくさん話す。
しかし、杏は真夜中にあんなに動いたにも関わらず、授業も寝ずに普通に学校を過ごしている。
「杏はよく寝ないで授業受けられるよねぇ.....どんな睡眠量してんだか...」
大きな欠伸を一つして眠りに入ろうとする。
その時、いつも同じタイミングで頭にチョップが入る。
が。
SK一番の戦力の私に、いくら睡眠中だからと言って常に気を張っているから効かない。
チョップを軽く避け、後ろを振り返る。
「護~。毎日毎日しつこいよぉ?私の大事な睡眠時間を邪魔するなぁ!」
神崎護。クラスメイトで男友達の中で最も仲のいい奴だ。
昔から一緒で幼馴染みの一人だ。
いつも一緒だったし、お互いのことをよく理解している。
でも、踏み込んじゃいけない境界がある。
護にはSKのことは言っていない。
言っちゃいけない。
護は大事な人だけど、踏み込んじゃいけない境界が一本二本あったって違和感はない。
「ちぇ。お前、ちょっとは俺のチョップを食らいやがれ!」
護は手をさすりながら、涙目で言う。
「誰があんたのへなちょこチョップ食らうもんですか。」
「あっかんべぇー」と小馬鹿にして、再び眠りに入ろうと試みる。
すると、今度はクラスの会話が耳に入って寝つけない。
「また、SKがSK対処部隊を何人も殺したんだって~!怖いよねぇ~...」
「SKがSK対処部隊の本部も何人か殺ったらしいよ!それって、それだけSKが強いってことだよね!?やっぱ、SKって怖い...」
「ねぇねぇ、知ってた?SKってうちらと同い年って噂だよ!嫌だぁ~!案外、近い存在かもよぉ~」
SKを悪者にしやがって....。
世間はSK対処部隊様の味方ですか。
へぇへぇ、いいですよ、別に。
世間がどう思おうが私たちのしていることは決して間違えてなんかない。
怒りが込み上げる中、こういう時は杏を見てあげないといけない。
杏はこういうのが本当に嫌いで泣いてしまう時がある。
杏を見ると、握りこぶしをぎゅっと握って少し怒りが入り交じった悲しい表情を浮かべていた。
「SKってなんで襲うんだろうな。」
そんな時、急に護が呟いた。
答える必要はないと思った。
だから、無視した。
「なぁ、なんでだと思う?」
しかし、護は私に尋ねてくる。
仕方ないから適当に答えてあげた。
「......そんなの知ってるわけないでしょ。」
護は「そうだな」と頷いて、また静かに呟いた。
「SKが死んでくれたら世界は平和になるのに。」
例え、護だからといって言って良いことと悪いことがある。
それは私たちに言ってはいけないことだ。
激しい怒りと悲しみが込み上げてきた。
しかし、ここで怒鳴ったら、SKと疑われSK対処部隊も本部の野郎に目をつけられるかもしれない。
ここは堪えるんだ....。
「......今日、学校休むわ。」
激しい怒りをぐっと堪えて、荷物をまとめた。
「どうしたんだぁ?具合でも悪いのか?」
護はじっと私の顔を見て、心配そうな表情を浮かべた。
本当に良い奴なんだけどなぁ、護。
「んー、うん。風邪引いてるの。帰る。............杏も帰った方がいいんじゃない?顔、真っ青だよ。」
杏は我に帰ったような顔をし、「うん」と頷いて一緒に教室を出た。