深夜の微笑 2
時々彼女をほんの少しからかうと、むきになって怒ったり応戦してきたりした。

でも時々照れたように顔を赤らめる彼女を可愛いと感じていた。
そうやってからかうことは誰にでもするわけじゃない。


僕にとって彼女は特別。


会社では先輩の彼女だけど反応が可愛くて、そんな表情が見たくてつい楽しんでしまう。

それはいつからだったかな?

思い出してみればほぼ毎日残業をしていて、一息つくためにタバコを吸いながらボーと彼女のことを考えることが増えた頃かもしれない。

最初は僕にとっても関心のある女性ではなかった。

彼女は僕に媚びた笑顔も、甘えた声も、一度だって表現したことがない。

僕のことは後輩という存在以外には感じていないみたいだし。それに周りの男性社員にだって僕と例外なくドライに接している。

そんな彼女が可愛がっている後輩が、僕の大切な人と同一人物という共通点から、2人が一緒にいると自然と視線が行くようになった。
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