恋物語





意味が、わからない。






「俺っ…」






「もういいよ! 」






私は空の言葉を遮った。
空のことを振り返ることなく
走って走って、走って。









足が痛い。
下駄で走ったんだもん。そりゃ痛いよね。







空の馬鹿…。
なんで部活やめるなんて言うの。





でもー…本当の馬鹿は私だ。


空が大好きなバスケを辞めるはずない。




何か、理由がない限り。





聞きたいこと、たくさんあって、なのに一つも聞くことが出来なくて。


勝手に怒って逃げてきちゃって、空から聞いたことは部活を辞めることだけ。





私、空のこと何もわかってない。

話を聞かないで逃げた私は、本当の馬鹿だ。



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