恋物語
コンコンッ
「…失礼します…」
私は小さな声で言って、こっそりと入った。
別に悪いことはしてないけど、気まずいし…。
「……誰?」
久しぶりに聞く空の声。
「美羽…?」
私を見て驚いた様子の空。
「なんでここに…」
「……」
病室は個室で、あまり広くない。
けど、テレビとベッドとタンス以外に家具はなかったため広く見えた。
……空、痩せた。
元から細い方ではあったけど。
私は思ってることを顔に出さないように意識した。
なんとなく、空はそう思ってほしくない気がしたから…。