恋物語





コンコンッ




「…失礼します…」



私は小さな声で言って、こっそりと入った。
別に悪いことはしてないけど、気まずいし…。





「……誰?」





久しぶりに聞く空の声。




「美羽…?」



私を見て驚いた様子の空。



「なんでここに…」



「……」



病室は個室で、あまり広くない。
けど、テレビとベッドとタンス以外に家具はなかったため広く見えた。




……空、痩せた。
元から細い方ではあったけど。





私は思ってることを顔に出さないように意識した。




なんとなく、空はそう思ってほしくない気がしたから…。










< 42 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop