君は空、僕は風

宙に浮いたInterval

<宙に浮いたInterval>

「噂では聞いてたけど、本当、だったんだ・・・。」

「いこちゃんにいちばんに伝えたかったけど、中々心の準備ができなくて・・・」

そういうとぽつぽつと彼は語り始めた。

　お互いの夢が少しずつずれていたこと

　　　　　　歩く歩幅が少しずつ離れていたこと

　　　二人の見る景色が少しずつ変わっていたこと

　だから、これ以上傷つく前に

　おしまいにしてしまおうということ

「要は浮気されたってことなんだけどね、馬鹿な話だよね
　もう半年になるんだって、新しい人。
　ずっと、気付け、なかったんだ・・・」

「ハルくん・・・」

ちがう。
そうじゃない。
ハルくんはいつも優しくて、彼女のことを最重要に考えて、いつだって彼女を大切にしていたじゃない。
それなのに。
なんで自分を責めるの。

「本当不甲斐ないよね。笑っちゃいたいくらいだよ。
　でもさ、笑うのも、辛いんだよね・・・。」

当たり前だよ。
ハルくんが彼女から連絡きたときのあの柔らかい笑顔、本当は誰よりも好きなんだよ。